onetake で VJam の 15 秒動画を作らせてみた — 私が言ったのは「作ってみて」「おまかせ」「荒いな」だけ

Claude Code のスキル「onetake」で、無料の VJ アプリ VJam の 15 秒の紹介動画を 2 本作りました。入れるのに 40 秒、最初の下書きまで 10 分。人が見る前に「スライドショーみたいになっていないか」を機械が採点して落とす仕組みと、非商用ライセンスの注意点まで。

onetake で VJam の 15 秒動画を作らせてみた

📌 先に3行でまとめ

  • 🎬 Claude Code のスキル「onetake」で、無料の VJ アプリ VJam の 15 秒動画を 2 本作りました。私が言ったのは「作ってみて」「おまかせ」「拡大してるところ荒いな」くらいです
  • 🤖 onetake は、人が見る前に「スライドショーみたいになっていないか」を機械が採点します。実際に 2 回落とされました
  • ⚖️ ただし非商用ライセンスです。売っている物の紹介動画には使えません

🎥 できた動画

先に見てもらったほうが早いので、できた 2 本です(どちらも 15 秒・音あり)。

  • ⭕ 左: 輪っか — VJam の輪っか 1 つが、タップ → 音に合わせて脈打つ → 穴に飛び込むと本物の VJam の映像 → 2 つに割れて Deck A/B(=映像を 2 つ並べて混ぜる台)→ 最後にロゴになる
  • 🔭 右: 1 画素 — 画面の 1 画素(赤・緑・青の粒)の中から始まって、引いていくと VJam の映像になり、さらに引くとブラウザの窓になって「インストールなし。ブラウザだけ。」

どちらも場面が切り替わりません。前の場面にあったものが、そのまま次の場面になっていきます。これが onetake の売りです。


🧩 onetake って何?

onetake は、Claude Code(=AI がコードを書いてくれる道具)に入れるスキルです。

🧰 スキルとは、特定の仕事のやり方をまとめた「手順書と道具のセット」のことです。入れておくと、Claude がその仕事を頼まれたときに手順書どおりに進めます。

作者は Patrick さん(feitangyuan/onetake)。朝に GitHub で話題のリポジトリを眺めていて見つけました。公式の見本(30 秒)を見て、思わず「すごいね」と言っていました。

動画編集ソフトではありません。やっていることはこうです。

  1. 🧱 動画を HTML 1 枚(=ウェブページ)として組み立てる。0 秒目から 15 秒目まで、どの瞬間に何がどこにあるかを全部数字で決める
  2. 📸 それをブラウザで 1 コマずつ撮って、シャッターのブレ(=速く動くものがにじむ感じ)まで付けて mp4 にする
  3. 🔊 効果音も手元で作って、同じ部屋で鳴っているように揃える

README の最初に書いてある問題意識が、わかりやすかったです。

AI やテンプレートで作った動画は、たいていスライドショーになる。タイトル、フェード、画面、フェード、機能紹介、フェード、ロゴ。1 枚ずつはきれいでも、場面が前の場面を置き換えているだけなので、つながらない

だから onetake は、場面と場面の境目を設計の対象にします。境目で、画面の中の何かが生き残って、次の場面になる。上の輪っかの動画なら、輪っかがずっと主役で、映像の入れ物になり、2 つに割れて Deck になり、最後はロゴの一部になります。


⏱️ 入れて 40 秒、最初の下書きまで 10 分

入れるのは Claude に頼んだだけです。GitHub から取ってきて、足りなかった部品(matplotlib という Python の道具)を入れるまで、だいたい 40 秒でした。

そこから先の流れはこうです。

  1. 💡 Claude が案を 3 つ出す(「輪っか 1 個が全部になる」「キック 1 発ごとに押し出す」「1 画素から引いていく」)
  2. 🙋 私は番号を選ばずに「作ってみて」とだけ言う → Claude が 1 番を選んで作り始める
  3. 🎥 素材は本物の VJam の画面。Claude が Playwright(=ブラウザを自動で操作する道具)で vjam.art を実際に動かして録画する
  4. 🖨️ 15 秒の下書きを書き出す。450 コマを 44 秒で撮り終わった

「作ってみて」から最初の下書きまで、約 10 分でした。2 本目も「おまかせ」と言っただけで、3 番の「1 画素」が約 10 分で出てきました。


🤖 人が見る前に、機械が落とす

onetake で一番面白かったのがここです。

書き出した動画は、人が見る前に採点スクリプトにかけられます。見ているのはこういう数字です。

  • 🔗 つながり具合(carry score)— 境目で、前の場面の何かが次の場面に生き残っているか。1.00 が満点
  • 🧘 止まっている時間の割合 — ずっと動きっぱなしだと、どの動きも効かなくなる。止めるところで止まっているか
  • 🎚️ 場面の長さのばらつき — 全部同じ長さだと、単調な紙芝居になる

作者は、リズムの数字は全部よかったのに「スライドショーだ」と却下された動画の話を README に書いています。それを人が見る前に機械で落とすための仕組みです。

実際に、2 回落とされました。

止まっている時間の割合 判定
1 画素 + 曲を入れた版(1 回目) 0.194 ❌ FAIL(基準は 0.25 以上)
同じく(2 回目) 0.222 ❌ FAIL
ブラウザの窓が着地した瞬間に、中の映像を止めた版 0.289 ✅ PASS

曲を入れたら、映像がずっと動きっぱなしになっていた、ということです。直し方も「窓がドンと着地した瞬間に、中の映像を一瞬止める」で、たしかにそのほうが着地が効いて見えます。

私はこの FAIL を見ていません。 私のところに来たときには、もう直っていました。


👀 私が口を出したのは 1 回だけ

途中で見せてもらった動画に、私が言ったダメ出しは 1 つだけです。

拡大してるところ荒いな

「1 画素から引いていく」動画なので、最初はかなり寄った画面から始まります。そこで録画の粗さが目立っていました。

Claude が挙げた原因は 3 つでした。

  • 🗜️ 録画の圧縮が強い
  • 🔍 小さく撮った画面を、拡大して使っている
  • 🐢 ブラウザが GPU(=画像を描くための専用の部品)を使わずに描いていた

直し方は、GPU を使う本物の Chrome で、2 倍の解像度で、1 コマずつ画像として保存する、でした。撮り直した版を見て「いいね」で終わりです。

もう 1 つ、Claude が自分で気づいて直したことがあります。VJam は音に反応して映像が動くアプリなのに、テスト用のマイクからは「ピッ」という音しか入っておらず、映像がほとんど動いていませんでした。そこで、BGM に使う曲そのものをマイクの代わりに流して撮り直しています。映像が曲に合わせて動いているのは、そのためです(曲は Suno(=AI で曲を作るサービス)で作った自分の曲です)。


⏳ かかった時間

  • 🕒 「やってみたいな」から最後の書き出しまで、約 3 時間(私が席を外していた時間も入っています)
  • ⚡ 最初の下書きは 2 本とも約 10 分
  • 🎞️ 残りの時間は、ほとんどが画質の撮り直しと、曲に合わせる作業でした
  • 📱 仕上げは縦長(1080×1920)の 60fps。2 本で約 4 分

onetake には 4K で書き出す仕上げもありますが、今回は SNS 用なので使っていません。

できた縦の 2 本は、その日のうちに TikTok・Instagram・X・YouTube に出しました。


⚖️ 注意: 売り物の紹介には使えない

ここは大事なので、はっきり書いておきます。

onetake のライセンスは PolyForm Noncommercial 1.0.0 です。

  • ✅ 個人の趣味・研究・勉強など、お金につながらない使い方は無料
  • ❌ 商売に使うのはダメ

実は、朝のニュースのまとめには「売っている物の 15 秒紹介動画を作らせてみる価値あり」と書かれていました。入れてから Claude がライセンスを読んで、「売っている物の紹介に使うのは NG」と教えてくれました。

それで題材を、無料で配っている VJam にしました。VJam はアカウントも支払いもいりませんし、動画を出したアカウントに広告の収益もありません。なので非商用の範囲と判断しています。作者には確認していません。

会社の製品や、お金を取っているサービスの紹介に使いたいなら、作者に相談するのが先です。


🙋 これがあなたに何の関係があるのか

  • 🎨 無料のアプリや、趣味の作品を作っている人 — そのまま使えます。15 秒の紹介動画が、下書きなら 10 分で出てきます
  • 🏢 会社の製品紹介の動画を作りたい人 — このままでは使えません(非商用)。ただ「場面を置き換えずに、前の場面から次の場面を生ませる」という考え方は、動画を外注するときの注文の出し方にもそのまま使えます
  • 🧑‍💻 Claude Code を使っている人 — スキルの作り方のお手本です。失敗作から学んだ手順と、それを守れているか確かめる採点スクリプトがセットになっています

🧭 まとめ

今回、私がやったことは 3 つだけでした。

  1. 🙋 「作ってみて」と頼む
  2. 👀 出てきたものを見て「荒いな」と言う
  3. ✅ 「いいね」で決める

案を選んだのも、録画も、採点で落とされたところの直しも、Claude です。前に書いた Orca の記事と同じで、人の仕事は「頼む・確かめる・決める」になっていきます。

ただ、確かめる目は人のものです。「荒いな」は採点スクリプトには引っかかりませんでした。機械が落とせるのはリズムとつながりまで。画質の粗さに気づいたのは人の目でした 🐋

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