Orca を使ってみた — Claude Code を同じリポで並べて動かす、初日の設定と感想

AI のコーディング担当を何本も並べて動かす無料アプリ「Orca」を、Claude Code を毎日使っている一人開発者が入れてみました。よかったこと、初日に引っかかったこと(置き場所・フォルダの信頼・jj)、YouTube 8本で見た評判をまとめます。

Orca を使ってみた

📌 先に3行でまとめ

  • 🐋 Orca(=AI のコーディング担当を何本も並べて動かすための無料アプリ)を入れて、1日使ってみました。結論から言うと、結構いいです
  • 🗂️ 効いたのは2つ。ターミナルだけでは見えなかったフォルダの中身が横に見えることと、同じリポでフロントとバックを並べても衝突しないこと
  • ⚠️ ただし初日に、いくつか引っかかりました。作業場の置き場所、「このフォルダを信頼する?」、jj のリポの扱いです

🐋 Orca って何?

公式サイトの説明は「The agent development environment」です。コードを書くための IDE(=統合開発環境)に対して、AI エージェント(=自分で考えて作業する AI)のための開発環境、という意味で ADE と呼んでいます。

  • 🌳 worktree(=同じリポを、別のフォルダにもう1つ広げる Git の機能)・ターミナル・ブラウザ・CLI が1つのアプリに入っています
  • 🤖 Claude Code・Codex・Gemini・Cursor など、公式サイトによると27種類以上のエージェントに対応。手持ちのサブスクでそのまま動きます
  • 🆓 無料・オープンソース(MIT ライセンス)。作っているのは Stably AI というサンフランシスコの会社です
  • 💻 Mac・Windows・Linux に加えて、iOS と Android のアプリもあります
  • ⭐ GitHub での公開は2026年3月。半年でスターが8万を超えました(2026-09-29 時点)

ひとことで言うと、「タスク1つ = 作業場1つ = AI 1本」を並べて見張るためのアプリです。


🧑‍💻 それまでの私の環境

普段は Ghostty(=Mac のターミナルアプリ)が本拠地で、タブ1枚 = Claude Code 1本で仕事をしています。VS Code のタブに Claude を並べる使い方も試していました。

困っていたのはこのあたりです。

  • 🗂️ Ghostty だと、ディレクトリの構成が見えない
  • 🐛 VS Code は思ったよりバグが多かった。 日本語入力の関係かもしれません
  • 💥 同じリポで2本走らせると、同じファイルを触ってぶつかる

✅ 使ってみてよかったこと

🗂️ フォルダの中身が見える

何より良かったのはこれでした。Ghostty ではディレクトリの構成が見えなかったのが、Orca では AI が作業している横にファイルの並びが出ています。

🌳 同じリポでフロントとバックを並べられる

Orca はタスクごとに worktree を分けます。作業場ごとにフォルダが別なので、同じリポで並べても衝突しません。

一人で開発していても、「同じリポでフロントエンドとバックエンドを両方進めたい」という場面は結構あります。その時にコンフリクト(=同じ箇所を別々に書き換えて、どちらを残すか決めないといけない状態)を気にしなくていいのは、すごくいいです。

🎫 GitHub の Issue がそのまま使える

私はもともと、進めることを全部 GitHub の Issue(=課題を1件ずつ書いておく場所)で管理しています。Orca は Issue から作業場を作れるので、今のやり方がそのまま乗りました。

さらに、Issue 番号を渡すと作業場を立てて Claude に任せる小さなスクリプトも書きました。

  • 📋 Issue ごとに作業場を作り、その Issue を Claude に渡す
  • 🛑 エージェントには push・PR・デプロイ・外への送信をさせない
  • 👀 取り込むかどうかは、Orca で差分を見てから私が決める
  • 🔢 一度に立てるのは3本まで(並べすぎると使用量が一気に減るので)

🤔 一人なのにブランチを分けるのは大げさ?

最初はそう思いました。一人でやっているのに、タスクごとにブランチ(=作業の枝分かれ)を切るのは過剰な気がします。

でも考えてみると、ブランチを分けて管理しているのは私ではなく AI です。私は差分を見て、取り込むかどうかを決めるだけ。それなら分かれていてもいいのかな、というのが今の感覚です。


⚠️ 初日に引っかかったこと

💾 作業場は外付け SSD に置いた

worktree は、リポをもう1つ丸ごと広げます。並べる本数だけディスクを使います。

私の Mac は本体の空きが100GBほどしかないので、設定の「Workspace Directory」を外付け SSD にしました。YouTube で見たヘビーユーザーの方は、1TB でも足りず、週1で作業場を掃除していると話していました。私はまだ使い切っていないので、ここは様子見です。

🍺 Homebrew の `orca` は別のアプリ

brew install --cask orca で入るのは、同じ名前の別アプリ(グラフを画像にするツール)です。公式サイトからダウンロードするか、Homebrew なら brew install --cask stablyai/orca/orca と指定します。

🔐 「このフォルダを信頼する?」で止まる

Claude Code は、初めて開くフォルダで「このフォルダを信頼しますか?」と聞いてきます。初期値は No です。

作業場は普段のフォルダの外(私の場合は外付け SSD)に作られるので、普段の「信頼済み」が効きません。放っておくと、Claude が起動しないまま待っています。

ただ、一度 Yes を選ぶと元のリポが信頼済みとして記録され、2本目からは聞かれませんでした(実際に2本立てて確かめました)。リポごとに最初の1回だけ、Orca の画面で Yes を押せば大丈夫です。

🔑 git に入れていないファイルは、作業場に来ない

鍵ファイルや .env(=パスワードなどを書いておく設定ファイル)のように、git に入れていないファイルは、新しい作業場にはありません。鍵が要る作業は、そのままだと作業場の中では動きません。

Orca には、リポの直下に .worktreeinclude というファイルを置くと、そこに書いたファイルを作業場へコピーしてくれる仕組みがあります。コピーしたくない鍵は、元のフォルダで作業するのが安全です。

🦀 jj のリポでは、作業場の中は git だけ

私はいくつかのリポで jj(=Git と一緒に使える、新しいバージョン管理ツール)を使っています。jj のリポも Orca に追加はできましたが、作業場の中では jj は使わず git で進め、取り込みは PR(=「この変更を入れてください」という申請)にしています。

✅ 確認なしで動くのが標準

Orca は Claude Code を、操作のたびの確認を飛ばすモードで起動するのが標準になっています(Orca のソースコードで確認しました)。並べたエージェントが承認待ちで止まらないようにするためです。

私はこのまま使っていますが、そのぶん上に書いた「push・デプロイ・外への送信はさせない」をエージェントへの指示に必ず入れています。

⌨️ キーボードで作業場を行き来する

Orca では、ターミナルのタブ1枚にあたるのが作業場1つです。そこで、Ghostty のタブ移動と同じキー(Option + F / J)で作業場を前後できるようにしました。

Orca 自身の「前の作業場 / 次の作業場」は、編集画面などにカーソルがあると効かない作りでした。Karabiner(=Mac のキー割り当てを変えるツール)と Orca の CLI を組み合わせて、どこにいても効くようにしています。


🎥 YouTube の評判(8本見ました)

記事を書く前に、Orca を紹介している動画を日本語5本・英語3本見ました。

多くの動画が共通して言っていること 👍

  • 🌳 タスクごとに worktree を分けるので、同じリポで並べても衝突しない
  • 🆓 本体は無料で、エージェントは手持ちのサブスクで動く
  • 🖱️ 画面の部品をクリックして、そのまま AI に渡せる(デザインモード)
  • 📱 スマホから様子を見たり指示したりできる

弱点として挙がっていたこと ⚠️

  • 💾 ディスクを食う(上に書いた通り)
  • 🔄 更新が速い。 9月は3週間で15回、ほぼ毎日新しい版が出ています。GitHub の未処理の Issue と PR は、合わせて7,000件を超えています(2026-09-29 時点)。動画の解説もすぐ古くなります
  • ✏️ エディタは最低限。 Christian Lempa さんのレビューでは、拡張機能が入れられず VS Code や Zed には及ばない、ただ Orca はそもそも IDE を目指していない、と話していました。私は AI に書かせて差分を見るのが中心なので、どこで困るのかはまだ分かっていません
  • 🙅 TECH WORLD の対談に出ていたヘビーユーザーの方は、1つのことを突き詰めたい人や、自分のコードを全部把握したい人には向かないと話していました

🙋 これがあなたに何の関係があるのか

  • 👩‍💻 Claude Code や Codex を毎日使っていて、同じリポで2本以上動かしたい人 — 試す価値があります。無料なので、まず1つのリポで並べてみるのがおすすめです
  • 🧑‍💻 1本ずつで足りている人 — 急がなくて大丈夫です。並べないなら、今のターミナルやエディタで十分です
  • 🏢 AI に仕事を任せることを考えている会社の人 — 「作業を分けて管理するのは AI、人は差分を見て入れるかどうかを決める」という役割分担は、コードに限らず参考になると思います

🧭 まとめ

1日使ってみて、結構いいというのが正直な感想です。

今は、本拠地は Ghostty のまま、同じリポで並べたい時と、Issue をまとめて片付けたい時に Orca を開くという使い分けに落ち着いています。ディスクと、エディタとしての物足りなさは、しばらく使ってから追記します 🐋

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