🎛️ Resolume の代替ソフト7選 — 無料で使えるブラウザVJアプリ VJam が最強だった
【🙋 免責事項】この記事を書いているのは VJam の開発者本人である。したがって本稿はどう贔屓目に見ても手前味噌の極みである。そのことは最初に白状しておく。ただし手前味噌というのは自分の味噌を褒めることであって、まずい味噌を旨いと偽ることではない。VJam がよければよいと書く。悪いところも書く。そういう記事だ。
💸 Resolume Avenue は約 €349(約5万5千円)、Resolume Arena は €849(約13万5千円)。ライセンスを更新しないと新バージョンは使えない。
そういう値段なのである。高い。これが世界標準のVJソフトの相場というものだ。異論はない。Resolume はよくできている。しかしこれが高いと感じる人間が一定数いることもまた事実である。「ライブで一度だけ使いたい」「スマホでビジュアル流したい」「とにかく無料で始めたい」——そういう動機で Resolume 以外を探している人に向けて、VJam 開発者として把握している7つを書いておく。
結論から言うと、インストール不要・完全無料・スマホでも動くという条件なら VJam 一択だった。
🤔 そもそも Resolume の何が問題か
問題と呼べるほどのことではないが、次の三点が引っかかりの原因になる。
- 💸 高い: Avenue €349〜(約5万5千円)、Arena €849〜(約13万5千円)。アップグレード費も別途かかる
- 💻 インストール必須: Windows/Mac のデスクトップアプリ限定
- 📵 スマホ非対応: モバイルでのパフォーマンスは想定外
ライブ会場で急に「ビジュアル流してほしい」と言われる場面というのがある。そういう時に Resolume を持っていないと詰む。誰しも一度は経験があるはずだ。そういう時のための代替を探した。
🎛️ 代替候補7選
🥇 1. VJam(ブラウザ、無料)
おすすめ度: ★★★★★
VJam はブラウザで動く。インストール不要。アカウント不要。完全無料。
これだけで十分な気がするが、もう少し書く。
✅ できること:
- 🎨 1,300+ プリセット — MilkDrop 系 945 種(Butterchurn WebGL2)+独自 p5.js プリセット 378 種(うち約 150 種が GLSL シェーダー実装)。どれだけ使えばいいのかという量だが、多いに越したことはない
- 🎵 リアルタイムビート同期 — マイク入力または音楽ファイルで動く。BPMに合わせてビジュアルが反応する
- 🎬 動画ファイルの読み込み — 動画をそのまま Deck に読み込んでビートに合わせて流せる
- 🎚️ VJ Cockpit — Deck A/B + ソフトウェアクロスフェーダー(MIDI コントローラーで操作可能)。2系統をリアルタイムでミックスしながら使える。Resolume で言うところのデュアルデッキ運用が可能
- 💿 スクラッチ対応 — DJ2GO2 Touch のジョグホイールで動画をスクラッチ操作できる。VJコントロールの即興性がぐっと上がる
- 📽️ プロジェクター出力 — HDMI 対応デバイスならスマホ・iPad でも投影できる。無料なのでまず試してほしい。PC では操作画面と映像出力を別画面に分けられ、4点プロジェクションマッピングも使える
- 🎹 MIDI コントローラー対応 — Numark DJ2GO2 Touch プロファイル付属
- 📱 スマホ・タブレット対応 — iPhone/Android のブラウザで動く
- 🔌 PWA — オフラインでも動作。ホーム画面に追加でアプリとして使える
- 🎥 動画録画 — WebCodecs API でそのまま書き出せる(PC のみ)
Resolume で言えば Avenue 相当の機能をブラウザで実現しているのである。価格は無料である。開発者が同じ人間であるという点を差し引いても、これはまあ悪くない選択肢だと思う。
⚠️ 制限:
- ❌ Syphon/NDI による外部映像入力はない
- 🖥️ 操作画面と映像出力の分離、4点プロジェクションマッピングは PC のみ
- 🎚️ Deck は2系統まで(A/B の2チャンネル)
- 🎥 動画録画は PC のみ
👤 向いている人: ライブパフォーマンスで動画やビジュアルをミックスしたいが Resolume を買うほどではない人、DJ コントローラーと組み合わせて使いたい人、スマホ・タブレットで手軽に使いたい人。
🔧 2. TouchDesigner(Windows/Mac、非商用無料)
おすすめ度: ★★★★☆
Derivative 社の TouchDesigner は非商用利用なら無料。ノードベースのビジュアルプログラミング環境であり、Resolume とは性格が全く異なる。
柔軟性は圧倒的だ。何でも作れる。ただしその分、最初の一週間は何もできない。学習コストというものがある。TouchDesigner の使い方を覚えてから使うという手順が必要になる。即興でビジュアルを流したい用途には向かない。
- 🔌 MIDI・OSC・Syphon など外部入力に強い
- 🎨 ジェネラティブアート・インスタレーションには向いている
- ⚠️ 「プリセット切り替えてライブ」という感覚とは別物
プログラムで映像エンジンを自分で組みたい人向けの選択肢である。
👤 向いている人: インスタレーション・メディアアート・Syphon 連携など、自分で映像システムを設計したいエンジニア・アーティスト。
🍎 3. VDMX(Mac のみ、$399)
おすすめ度: ★★★★☆
Mac 専用のVJソフト。UI が Resolume と似ており、乗り換えは比較的スムーズ。価格は $399 で Resolume Avenue と同程度なので、Resolume からコストを下げるための代替にはならないが、Mac しか持っていない人には選択肢になる。
- 🧩 Quartz Composer プラグインに対応
- 🔗 Syphon 対応(TouchDesigner 等との連携が容易)
- ⚠️ Mac 専用なので Windows ユーザーは対象外
👤 向いている人: Mac ユーザーで Syphon による映像連携を重視する人。Resolume に近い操作感が欲しいが Mac のエコシステムで完結させたい人。
💰 4. GrandVJ(Windows/Mac、有料)
おすすめ度: ★★★☆☆
ArKaos のVJソフト。Win/Mac 両対応で機能セットは一通りそろっており、Resolume より安価なラインナップがある。開発のペースは遅く UI は古めだが、VJの基本操作をコスパよく始めたい人には選択肢になる。
👤 向いている人: Windows でVJを始めたいが Resolume の価格は高いと感じる人。機能より価格を優先したい人。
👴 5. MilkDrop / Winamp(Windows、無料)
おすすめ度: ★★★☆☆
Winamp のプラグインとして生まれた伝説のミュージックビジュアライザーである。Windows のみ。動画は流せず、ライブVJには向かない。しかし MilkDrop プリセットをオリジナル環境で体験するなら本家はやはり本家だ。
✨ VJam の Butterchurn エンジンはこれをブラウザで再現したものであり、いわば私が一番影響を受けた先祖にあたる。
👤 向いている人: MilkDrop プリセットをオリジナル環境で体験したい人。Windows 限定でよければ無料で 1,000 種以上のビジュアルを楽しめる。
🪦 6. Modul8(Mac のみ、開発終了)
おすすめ度: ★★☆☆☆
かつて人気だった Mac 専用VJソフト。現在は開発終了。新規購入は非推奨。歴史として知っておく分には面白いが、今から使い始めるものではない。
👤 向いている人: 正直、今から選ぶ理由はない。既に持っている人が使い続けるのはありだが、新規購入はおすすめしない。
💻 7. Processing / p5.js(無料、コーディング必須)
おすすめ度: ★★★☆☆
プログラミングでビジュアルを作るアプローチ。無料で柔軟だが、コードを書ける必要がある。VJam の独自プリセット 378 種はこの p5.js で作られており、言ってみれば VJam のカスタムプリセット開発環境がそのまま Processing/p5.js である。
👤 向いている人: コーディングができてオリジナルのビジュアルエンジンを自作したい人。VJam のプリセットを自分で作りたい開発者。
📊 比較表
| ソフト | 価格 | OS | インストール | スマホ対応 | 動画読み込み | プリセット数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 🥇 VJam | 無料 | ブラウザ | 不要 | ◎ | ◎ | 1,300+ |
| TouchDesigner | 非商用無料 | Win/Mac | 必要 | ✗ | ◎ | なし(自作) |
| VDMX | $399 | Mac のみ | 必要 | ✗ | ◎ | あり |
| Resolume Avenue | €349〜(約5.5万円) | Win/Mac | 必要 | ✗ | ◎ | あり |
| GrandVJ | 有料 | Win/Mac | 必要 | ✗ | ◎ | あり |
| MilkDrop | 無料 | Windows のみ | 必要 | ✗ | ✗ | 1,000+ |
| Modul8 | 有料(開発終了) | Mac のみ | 必要 | ✗ | ◎ | あり |
| Processing / p5.js | 無料 | Win/Mac/Linux | 必要 | ✗ | ✗ | なし(自作) |
🎯 結論: 無料で今すぐ使うなら VJam
手前味噌とわかりつつ書いてきたが、結論は変わらない。
「Resolume を使ってみたいけど高い」「ライブでちょっとビジュアルを流したい」「スマホしかない」という状況なら、VJam がベストの選択肢だった。ブラウザを開いてタップするだけで 1,300 種以上のビートシンクビジュアルが動く。HDMI でプロジェクターに繋げばそのままライブで使える。DJ コントローラーがあればスクラッチまでできる。
コーディングスキルがあって複雑なビジュアルを自作したいなら TouchDesigner、Mac ユーザーで Resolume に近い操作感が欲しいなら VDMX という選択もある。ただし無料という条件では VJam 一択になる。これは私が作ったから言っているのではなく、事実がそうなっているから言っているのである。たぶん。